2025年3月16日、エキスポ駅伝で國學院大が3位に、ゴールする辻原輝 写真/西村尚己/アフロスポーツ

(スポーツライター:酒井 政人)

「今年も國學院大はやるよ」

 トヨタ自動車と富士通がワン・ツーを飾ったエキスポ駅伝(大阪・関西万博開催記念 ACN EXPO EKIDEN 2025)。史上初となる実業団 vs.大学の戦いは前者が完勝したかたちになった。では大学勢はどんな戦いを見せたのか。

 今年度の出雲と全日本を制した國學院大が大学勢トップの3位に入ると、帝京大が4位と大健闘。三大駅伝すべて2位の駒大は6位、箱根駅伝を連覇した青学大は7位に終わった。

 國學院大は当初、「4年生を入れて実業団に勝ちたいと思っていた」が、足並みが揃わず、「それなら新チームのキックオフをやろう」と三大駅伝未経験の1年生トリオを含む3年生以下のメンバーで臨むことになった。

「4年生を含めて、12人エントリーしたんですけど5人ぐらいが故障して、7分の7で勝負するようなかたちになったんです。実業団を倒す気概がなかったわけではありませんが、プライドを持って戦った実業団は強かった。ちょっと差を感じましたね。そのなかで選手たちは力を出してくれて、『今年も國學院大はやるよ』というのは見せられたと思います」(前田康弘監督)

 なかでも収穫となったのが1年生の活躍だ。2区の尾熊迅斗が区間2位、4区の飯國新太が区間7位、6区の浅野結太が区間6位。それから最長3区を新主将となる上原琉翔(3年)が区間2位、後半のロング区間の5区を野中恒亨(2年)が区間2位と快走した。

「箱根はまた別ですけど、今回駅伝デビューした1年生3人は出雲と全日本の戦力になるのがわかりました。上原は一回引っ込み、後半勝負してクレバーでしたね。5区野中も良かった。これでエースの目途は立ったと思います。箱根で青学大と駒大にやられたので、今回は勝つつもりで来ました。出雲、全日本、宮古島、エキスポ。裏4冠ですね(笑)。あとは箱根だけ。山との向き合い方を含めて、新年度は箱根を勝ちにいくチームを作ろうと思っています」(前田監督)