2025年3月2日、東京マラソンを走る安藤友香 写真/西村尚己/アフロスポーツ

(スポーツライター:酒井 政人)

ゲベデが女子で初の連覇、細田は2時間27分台に終わる

 東京マラソン2025の女子は前回覇者のストゥメ・アセファ・ケベデ(エチオピア)が高速レースに挑んだ。ペースメーカーとともに“独走”して、中間点を1時間06分20秒、30kmを1時間34分44秒で通過する。自身が持つ大会記録(2時間15分55秒)の大幅更新だけでなく、世界歴代3位相当となる2時間12分台の期待を抱かせた。

 しかし、気温20度を超える暑さもあり、終盤はペースダウンを余儀なくされる。それでも2時間17~18分台のベストタイムを持つ選手たちから逃げ切り、東京マラソンの女子としては初となる連覇を達成。優勝タイムは2時間16分31秒だった。

「最初は良くてペースも望んでいた通りでしたが、35km以降は暑さもあり、37km以降は風もあり抵抗するのが難しかった。自己ベスト更新はできませんでしたが、優勝できて大変うれしく思います」

 世界陸上の参加を考えているというケベデ。エチオピア代表に選出されれば、半年後に再び、東京を駆け抜けることになる。

 日本勢は東京五輪10000m代表の安藤友香(しまむら)とパリ五輪マラソンの補欠だった細田あい(エディオン)がキロ3分20秒ペースの第3集団でレースを進めた。両者のガチンコ勝負と好タイムが注目されていたが、細田は13km付近で失速。その後は苦しいレースとなり、2時間27分43秒の13位に終わった。

「集団から離れた後、自分で押していきたったんですけど、きつかったですね。シーズン後半で疲労が取れにくいような、初めての感覚があって、合宿の後半は思うようにいかないところがありました。今回は調整不足だったかなと思います」

 昨年のベルリンで日本歴代7位の2時間20分31秒をマークした細田。東京世界陸上の代表選出は厳しい状況だが、日の丸をつけて勝負する日が来るのを期待せずにはいられない。