
(スポーツライター:酒井 政人)
世陸に織田裕二が帰ってくる!
今年は9月に東京で陸上競技の世界選手権(以下、世陸)が行われる。世陸の国内開催は2007年の大阪大会以来18年ぶり。東京での開催は実に34年ぶりとなる。
そしてTBS系列で放映する世陸に熱い男が3年ぶりに“復活”する。1997年のアテネ大会から「キャスター」を務めてきた織田裕二さんだ。今回は「スペシャルアンバサダー」を担うことになり、都内で記者会見が行われた。
「これまでとはちょっと変わりますが、今回はアンバサダーというかたちで世陸に関わらせていただきます。僕にとっては二度と観られないであろう東京大会をぜひ満喫したいと思います!」
日本人にとって世陸のアイコンともいえる存在の織田さん。海外からのライブ中継は苦労の連続だったという。なかでも2015年の北京大会は途中で高熱が出て、大会終盤は「ヘロヘロ状態」に。「9日間、体力が持たない」と厳しい現実に直面した。それだけにキャスターを“卒業”したときは、「寂しいと同時にホッとしました」と織田さんは振り返る。
「今後はビールを飲みながら世陸を観たい」と思っていた織田さんの陸上熱は少しも衰えていない。これまで数々の歴史的瞬間を目撃してきただけに、世陸の魅力をこう語った。
「2009年のベルリン大会でウサイン・ボルトが男子100mで9秒58の世界記録を樹立しましたが、一瞬で世界が変わったんです。静寂から空気が破裂したようでした。その逆もあるんですよ。期待していた選手が失敗してしまう……。本当に一瞬。たった1秒で天国と地獄が決まるんです」