(スポーツライター:酒井 政人)
青学大が大会新で連覇を達成
“3強対決”が予想されていた今年の箱根駅伝。終わってみれば、前回王者・青学大が10時間41分19秒の大会記録を打ち立てて完勝した。
2位の駒大とは2分48秒、3位の國學院大とは6分40秒という差がついた。3強はどこで明暗をわけたのか。じっくり考察していきたい。
まずは1区。中大・吉居駿恭(3年)が飛び出し、3強は集団のなかでレースを進めるかたちになった。駒大・帰山侑大(3年)が2位で、國學院大・野中恒亨(2年)が6位、青学大・宇田川瞬矢(3年)が10位。3校のタイム差はわずか12秒で、最初の勝負どころは2区のエース対決になった。
駒大はハーフマラソンで日本人学生最高記録を持つ篠原倖太朗(4年)、國學院大はマラソン日本学生記録保持者の平林清澄(4年)、青学大は前回区間賞の黒田朝日(3年)。権太坂(15.2km地点)の通過はほとんど差がなかったが、終盤は黒田が強かった。平林と篠原を抜き去ると、日本人最高記録(1時間05分57秒)だけでなく、区間記録(1時間05分49秒)を上回る1時間05分44秒(区間3位)を叩き出したのだ。篠原が1時間06分14秒の区間4位で、平林が1時間06分38秒の区間8位。青学大が3位でタスキをつなげると、駒大が18秒差の5位、國學院大が50秒差の8位で中継した。
3区は青学大・鶴川正也(4年)が1時間01分51秒の区間3位、駒大・谷中晴(1年)が1時間02分05秒の区間6位、國學院大・山本歩夢(4年)が1時間01分54秒の区間5位。3強内の順位は変わらず、タイム差もさほどつかなかった。
しかし、4区で差がついた。青学大・太田蒼生(4年)が区間歴代2位&日本人最高の1時間00分24秒で区間賞。1区からトップを独走していた中大に急接近した。一方、駒大・桑田駿介(1年)は1時間01分24秒の区間4位、國學院大・青木瑠郁(3年)は1時間01分09秒の区間2位と好走するも、太田の快走でリードを広げられたのだ。
そして“山”でレースが大きく動くことになる。