箱根駅伝へのピーキングは青学大が上だった

 レースを振り返ると、今大会は“山”が勝負を分けたと言っていいだろう。

 3強の5区と6区のトータルタイムは青学大が2時間05分58秒、駒大が2時間08分33秒(青学大と2分35秒差)、國學院大が2時間12分39秒(青学大と6分41秒差)。総合タイムは青学大が10時間41分19秒、駒大が10時間44分07秒(青学大と2分48秒差)、國學院大が10時間50分47秒(青学大と6分40秒差)。3強は平地区間のタイムはさほど変わらず、山のタイム差がほぼそのまま総合成績のタイム差になっているのだ。

 山は青学大コンビが“想定以上”だったのに対して、駒大は5区の山川が“誤算”だった。山川は全日本大学駅伝の最終8区を日本人歴代2位で走破。2分37秒先にスタートした青学大・塩出を大逆転している。「山の神」の期待が高かった選手だが、「全日本で出し切った後に、今度は上り区間に合わせていくのが難しかった。特殊区間の準備が足りていなかったのかなと思います」と振り返った。なお、青学大・若林は全日本に出場していない。箱根駅伝へのピーキングは駒大よりも青学大の方が上だったといえそうだ。

 山で大きく後れをとった國學院大も5区と6区の「読み」が甘かった。結果論になるが、エース平林が本調子ではなかったことを考えると、1区に青木を起用して、ライバル校を引き離す戦略を取った方が良かったような気がしている。いずれにしても青学大を追いかけるかたちで山に入った時点で勝負が決まったといえるだろう。