1.ロシア軍の奇妙でちぐはぐな攻撃
ロシア軍は今、わずかな軍事目標達成のために、これまでにない最大の損失を出し続けている。
ウクライナへの侵攻当初の攻撃実績などから見れば、当初ロシアはウクライナ全土の占領、あるいはキーウ政権を倒すという軍事目標を立てて攻撃していた。
その時の兵士の損失は、現段階よりもはるかに少なかった。
グラフ ロシア軍兵士の損失推移と作戦段階
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侵攻当初のことを今思い返せば、ロシア軍としては壮大な地域範囲を攻撃し、「大きな損失が出た」と判断し、当初の作戦を変更し縮小したのだろうと思う。
だが、現在の損失と比べると、損失は最も少なかったのである。
侵攻当初の損失は月に5000人ほどであったのだが、ドネツク地域での「肉挽き攻撃」では、月に4から4.5万人の損失を出している。
実に9倍である。