安藤が8年ぶりの世界選手権に前進

 細田あい(エディオン)の脱落で日本人トップ争いは昨年の名古屋ウィメンズを2時間21分18秒の自己新で制した安藤友香(しまむら)の“独走状態”になった。大会2日前のプレスカンファレンスで「自分の記録を超えるのを目標に前を見てあきらめずに走りたい」と話していた安藤は、「男子選手もいらっしゃったので、前にいる選手を一人でも抜くつもりで走りました」と男子選手に囲まれたなかで前だけを見据えていた。

 中間点を1時間10分08秒、30kmを1時間39分57秒で通過。自己記録更新に向けて順調だったが、30kmから苦しくなる。40kmまでの5kmを17分56秒までペースダウンして、2時間23分37秒の11位でフィニッシュした。

「今回は2時間20分切りを目指してやってきて、ケガなく練習を継続できました。ただ、かたちとして結果を残ことができなかった。30kmまではペースメーカーさんにリズムよく引っ張っていただいたんですが、その後にペースをガタッと落としてしまって、目標の記録にも届かず、悔しい気持ちです。終盤は脚にきてしまい、天候の関係もあって、脱水もあったと思います」

 大阪国際女子で小林香菜(大塚製薬)がマークした2時間21分19秒を上回ることができなかったものの、安藤は大会終了時でJMCシリーズⅣのトップに躍進。名古屋ウィメンズマラソンの結果次第になるが、8年ぶりとなる世界選手権の代表が濃厚になった。

 マラソンでは2017年のロンドン世界陸上に出場している安藤。昨年3月の名古屋ウィメンズで7年ぶりに自己ベストを更新したが、その直後に左大腿骨を疲労骨折して、苦しい時期を過ごしたという。

 ジョグを始めたのが7月で、本格的な練習が9月に入る頃となり、「もどかしさを感じた」と振り返る。さらに今季からしまむらに加入したことで、マラソン練習もこれまでと異なるものになった。

「今までいろんな方に教わってきたことをベースにしながら、そこに新たな監督さんの知識を入れながらやってきました。準備としては本当に手応えがあったんです。でも全体的な練習量が少し足りなかったかもしれません。3年後のロス五輪を目指しているので、そのステップとして東京世界選手権に出場したい。そのチャンスがあれば、今回得た課題を克服して、さらにレベルアップした状態でスタートラインに立てるように準備したいと思います」

 31歳で東京世界陸上、34歳でロス五輪を迎えることになる安藤。まだまだ強くなっていく。