藤森神社の馬の銅像 写真/maaagram/イメージマート
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(JBpress編集部)

2026年(令和8年)の干支は「午年(うまどし)」。古くから人々の生活や文化と深く関わるとともに、神様の乗り物“神馬”など神聖な存在として崇められ、神々に奉納されてきた「馬」。力強く前進するイメージから「勝負運」や「開運」といったご利益や、荷物を遠くまで運ぶことから「交通安全」や「旅の安全」、「商売繁盛」「金運」などのご利益があるとされています。また、歴史ある神事や地域に根づいた伝統行事など、馬との関わりの深い催しが多いのも特徴です。開催に合わせてお参りしてみてはいかがでしょうか?

荒川駒形神社(岩手県遠野市)

荒川駒形神社 写真/五島健司/アフロ

 馬産地・遠野を代表する神社で、中世この地を統治した阿曽沼氏の家臣であった佐々木氏が、馬産の神を祀ったことに始まるといわれています。毎年5月に行われる例祭では、神馬が参詣、地元の早池峰(はやちね)しし踊りが奉納され、多くの人が訪れています。

 境内では、社殿の手前にいくつもの鳥居が奉納さてており、拝殿には無尽(むじん)和尚が書き写したという片耳の白馬のご神体も祀られています。片耳の理由は、無尽和尚が祈願し際、早池峰山の神霊が白い馬に乗って現れ、その姿を写し取ろうとしたものの、片耳だけ描き終わらぬうちに消え去ってしまったという伝説に由来するそうです。

相馬中村神社(福島県相馬市)

相馬中村神社 写真/TAKEZO/PIXTA(ピクスタ)

 相馬中村藩主の相馬家代々の氏神として崇敬されてきた相馬中村神社。起源は相馬氏の始祖である平将門が、承平年間に下総国猿島郡に妙見社を建立したことに始まるとされ、相馬氏の下向に伴い、現在の中村城郭内の西に建立されました。寛永20年(1643)、18代藩主相馬義胤によって建てられた桃山様式の本殿・幣殿・拝殿は、国の重要文化財に指定されています。

 毎年5月最終週の土・日・月に行われる伝統行事「相馬野馬追(そうまのまおい)」では総大将の出陣式が行われ、境内は勇壮な空気に包まれます。また馬の形をした「馬みくじ」、「馬体安全守」なども授かれます。