東京世界陸上を目指す4年生も貫録のパフォーマンス

 昨年のパリ五輪に4×100mリレー(予選)で出場した栁田大輝(東洋大4)が大会2日目の男子100mに登場した。午前中に行われた予選は10秒54(-1.3)で「どうしようもない走りだった」が、午後の準決勝で立て直す。10秒09(+1.8)で駆け抜けて、「状態が上がりきっていないなかでも0台が出せて、底力が上がっていると思います」と充実の表情を見せた。

 栁田が棄権した決勝でも東洋大勢が大活躍した。「栁田さんから『絶対に勝てよ』とプレッシャーをかけられていました」という大石凌功(3年)が10秒19(+0.8)で優勝。「ユニバ代表がかかっているので1位と2位では雲泥の差。しっかり勝ち切れたことは大きな自信につながるかなと思います」と笑顔が弾けた。

 大石は昨年9月の日本インカレ4×100mリレーでアンカーを担ったが、早大・井上直紀に逆転を許している。その「悔しさ」を忘れないため、部屋の壁に日本インカレのゼッケンを張り付けて、「絶対に見返してやる」という気持ちで取り組んできたという。そして日本学生個人選手権を制したことで、「世界選手権のターゲットナンバー内の選手」であるとともにユニバ代表に選ばれた。

 男子110mハードルでは阿部竜希(順大4)が準決勝で快走した。学生歴代3位の13秒26(+0.7)を叩き出して、東京世界陸上の参加標準記録(13秒27)を突破したのだ。翌日の決勝は13秒30(+1.3)で完勝したが、本人は満足していなかった。

「勝ち切れたのは良かったですけど、タイムを狙っていたので、60点くらいですね。中盤から後半にかけて捌ききれなくて、浮いてしまいました。まだ一発屋なので、もっと安定して出していきたい」

 阿部もユニバ代表に内定したが、順大の先輩である泉谷駿介(住友電工)、村竹ラシッド(JAL)とともに東京世界陸上を目指していく。