目をつけられたSNSへの投稿とは

──まず、あなたの身に何が起きたのか、教えて下さい。

スティーブ・ハーマン氏(VOA国内担当首席特派員):昨年11月の大統領選後、トランプ氏に関する一部の原稿について、編集がより厳しく行われるようになったと言わざるを得ない状況に気づき始めました。

VOAのスティーブ・ハーマン国内担当首席特派員。VOAに20年近く在籍、ホワイトハウス支局長などを歴任し、日本外国特派員協会(FCCJ)の会長も務めた(写真はハーマン氏のウェブサイトから)

 私は、政府が資金を拠出するVOAやその他の国際放送局を管轄するUSAGMの人事部門から、私がVOAの複数の番組でしたコメントに関する調査のために呼び出されました。彼らは私がそれらのコメントの中で「推測と分析」をしたと認めさせようとしました。そもそも、VOAでの20年を超えるキャリアの中で、それが問題視されるようなことはありませんでした。いずれにせよ、私はVOA の基準を逸脱したとは思っていないと答えました。

 その後、私のSNSでの投稿に注目が集まりました。米国際開発庁(USAID)の閉鎖に関するあまり害のない投稿ですが、ある米政府高官がそれを「反逆罪に等しい」と指摘し、それがメディアに注目されたのです。

 その直後、私のSNSでの活動についてVOAとUSAGMから再度調査されました。私は第1期目のトランプ政権でもSNSの活動を調査され、私が反トランプの偏見を持っていると主張されました。

 私は(SNSでは)私見を述べませんが、USAIDの削減に反対する人々についての投稿が多すぎるという懸念を持たれていました。私はバランスを保つために、大統領や政権の行動のほか、市民の自由を擁護する団体や米議会の野党議員の声明やコメントなども投稿しています。これは、私がSNS上でほぼ20年間やってきたことと、何ら変わりません。