(4)筆者コメント

 既述したが、北朝鮮の金正恩総書記は2023年ロ朝首脳会談において、「我々はプーチン大統領とロシア指導部の決定を常に支持する」「ロシアとの二国間関係を最優先事項にする」と述べた。

 筆者は、この時、北朝鮮はロシアの被保護国になったと見ている。そして、北朝鮮は弾薬をロシアに提供し、ロシアから核・弾道ミサイル関連技術の提供を受けたと見られる。

 また、2024年には、相互防衛義務規定のある「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結した。

 そして、北朝鮮は、手始めに約1万人の兵員をロシアへ派遣した。見返りとして北朝鮮は、ロシアから何を受け取ったのであろうか。

 筆者は、エネルギーと食料の提供を受けるものと見ている。いずれにしても、ロシアと北朝鮮はウィン・ウィンの関係である。

 問題は中国との関係である。ロシアと北朝鮮に無視された中国の心境はどのようなものであろうか。

 上海の華東師範大学の沈志華教授は、朝中ロの愛憎の三角関係を「脆弱な連盟」と表現した。

 沈志華教授は結論で「中・ソ・朝3か国の内部関係は全面的な和解が難しく、たとえ共通の敵を相手にしても各自望むことが異なり、誰が上に立つかという問題があった」とした。

 また、「中国がロ朝同盟に参加すれば、中国が一貫して堅持してきた周辺安定と平和的発展を図るという目標および戦略に合わない」とし、ロシア・北朝鮮と距離を置くことを促している。

(出典:中央日報「朝中ロ愛憎の三角関係」2024年11月1日)

 まさに今、中国は沈志華教授の言うように、ロシア・北朝鮮と距離を置いている。

 今、中国とロシア・北朝鮮の間には隙間風が吹いている状態である。

 そこで、日米韓が協力して、中国とロ朝との離間策を打つのはどうであろうか。