明治5年10月14日、新橋-横浜間に日本初の鉄道が開通。鉄道開業当時に実際に走っていた110形蒸気機関車の実物は、横浜・桜木町の旧横濱鉄道歴史展示「旧横ギャラリー」に展示されている(筆者撮影)
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(柳原 三佳・ノンフィクション作家)

 10月14日(祝)は、「スポーツの日」でした。さわやかな秋晴れのもと、さまざまなスポーツに汗を流した方も多いことでしょう。

 この日は「世界標準の日」でもありました。「世界標準(international standard)」とは、国際交易を円滑にはかるため、世界各国のさまざまな規格や基準を統一化したもの。終戦翌年の1946年10月14日、25カ国がロンドンで標準化促進のための世界的組織創設を決定したことを祝い、記念日として制定されました。

 そしてもうひとつ、10月14日と言えば「鉄道の日」でもあります。1872年10月14日、日本で初めて鉄道が開通してから今年で152年、国土交通省のサイトでは次のように紹介されています。

〈明治5年(1872年)10月14日、新橋-横浜間に日本で最初の鉄道が開通したことを受け、平成6年(1994年)、その誕生と発展を記念し、毎年10月14日を「鉄道の日」と定めました。鉄道が国民に広く愛され、その役割についての理解と関心がより深まることを願い、鉄道事業者、関係団体、国などが「鉄道の日」実行委員会を組織し、毎年多彩な行事を全国各地で実施しております。なお、今年は、「鉄道の日」が制定されてから31回目を迎えます〉(国土交通省 「鉄道の日」について

鉄道開業当時の機関車の実物が見学可能

 今から152年前の鉄道創業当時、新橋と横浜間を実際に走った車両(110形蒸気機関車)は現存しており、今も間近で見学することができます。当時の列車が発着した「旧横濱駅」が、現在の桜木町駅だったことにちなんで、同駅の新南口前にあるシァル桜木町アネックス1F「旧横ギャラリー」(旧横濱鉄道歴史展示)では、2020年6月から、当時使われていた蒸気機関車の現物のほか、中等客車の再現、鉄道の歴史を解説するパネルの展示がおこなわれているのです。

110形蒸気機関車(筆者撮影)
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 オープン時がコロナ禍のただ中だったこともあり、まだ足を運べていないという人も多いかもしれませんが、何といってもここは鉄道発祥の地。鉄道の歴史を感じるには欠かせない場所と言えるでしょう。