大切な我が子を突然の事故で奪われてから4年半、福島県在住の坂本勝さん、喜美江さん夫妻は、裁判が終わった今も疑問がぬぐい切れず、苦しみ続けています。

加害者は大手自動車ディーラーの店長

 事故は2020年3月8日午後11時20分頃、滋賀県彦根市の県道で発生しました。横断歩道を渡っていた滋賀大学3年の坂本瞳さん(21)が乗用車にはねられ、頭などを強く打って意識不明の重体となり、4日後、一度も意識を回復せぬまま亡くなったのです。

事故現場の横断歩道は見通しのよい直線道路。なぜ被告は横断中の瞳さんを見逃したのか……(遺族提供)
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 瞳さんは4月から大学を休学して海外留学を計画しており、『語学留学先はカナダに決めた』というメールが母親の喜美江さんに届いたのは、事故発生のつい数時間前のことでした。

 本件の詳細は以下の記事をご覧ください。

(外部リンク)なぜ警察と検察は『ながらスマホ』の捜査を怠ったのか… 横断歩道上で未来奪われた娘の無念(柳原三佳。Yahoo!ニュース  エキスパート)

 加害者は滋賀県内の大手自動車ディーラーの彦根店で店長をつとめていたA(当時43)という男でした。歩行者が最優先されるべき横断歩道上での事故、しかも一般道では赤切符にあたる時速30キロオーバーの速度違反をしていたことから、大津地裁彦根支部は事故から1年後、被告の責任を問う厳しい言葉を列挙し、過失運転致死罪で判決を下しました。