米軍とイスラエル軍の爆撃により破壊され噴煙を上げるテヘランのビル(3月2日、写真:AP/アフロ)
(英エコノミスト電子版 2026年2月28日付)
ドナルド・トランプ大統領はイラン国民に蜂起を呼びかける。中東が瞬く間に戦火にのみ込まれる恐れもある。
数週間にわたる砲艦外交は2月28日、米国とイスラエルの軍用機がイラン各地の目標を爆撃し始めたことで幕を下ろした。
戦争の始まりを最初に世に伝えたのは、イスラエルのシャバット(安息日)の静けさを破るサイレンだった。住民はシェルターの近くにとどまるよう告げられた。数分後、イランの首都テヘランで黒煙が上がる様子が動画に映し出された。
さらにその1時間半後には、米国のドナルド・トランプ大統領が8分間のビデオ声明を公開し、米国は「大規模な軍事作戦をイランで」開始した、それは「この極めて邪悪で過激な独裁体制が、米国と米国の国家安全保障における核心的な利益とを脅かすのを阻止するための大規模で継続的な作戦行動」になると述べた。
戦争の号砲
ほどなくイスラエルで最初の警報が発令され、イランのミサイルが同国北部に向かっていることが伝えられた。そしてこの警報はイスラエル全土とペルシャ湾岸諸国にも広まった。
最初の犠牲者が出たのはアブダビだった。アラブ首長国連邦(UAE)上空で撃墜されたミサイルの破片の直撃を受けたという。
以上が、中東の大部分を巻き込む恐れを秘めた戦争の最初の交戦の模様だ。
イスラエルが前回、昨年6月にイランに戦争を仕掛けた時、軍事行動を始めたのはイスラエルだった。米国はその10日後に参戦し、イランのウラン濃縮プラントを長距離爆撃機で一度だけ攻撃した。
今回の戦争は違う。第1に、米国とイスラエルが一緒に戦争を始めている。トランプ氏は長距離爆撃機を投入する前に様子を見ることはなかった。
それに米国は数日間、ひょっとしたら数週間もイスラエルとともに攻撃を続けられる大部隊をイランの近くに送り込んでいた。
トランプ氏とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はそれぞれの声明で、これが両国軍の共同作戦であることを明言している。
第2に、この戦いは前回よりもはるかに大きな目標を掲げており、最終的には体制転換を目指すとしている。
第3に、イラン側は前回よりもはるかに速く反応しており、報復の対象もはるかに幅広く設定している。