米国のイラン攻撃を受けて株式市場にはリスク回避の動きが広がった(写真:ロイター/アフロ)
目次

(白木 久史:三井住友DSアセットマネジメント チーフグローバルストラテジスト)

 AI関連株、防衛関連などの高市関連銘柄、そして金融株などの大型内需割安が大きく上昇して東京株式市場は空前の株高に沸いています。そんな株式市場の喧騒の「蚊帳(かや)の外」にあるのが日本の小型株です。欧米の主要市場との比較で新陳代謝が少ないとされる日本の株式市場は上場企業数が多く、上場する小型株の数は膨大なものがあります。

 そんな小型株市場は「仕手株」と噂される企業もあれば、高い技術力で世界に冠たるオンリーワン企業まで、まさに玉石混交の状態にあります。門外漢にはとっつきにくい小型株ですが、内外の投資家の関心が大型株に集中する今、あえて「逆張り」で小型株の投資機会について考えてみたいと思います。

「小型株効果」というアノマリー

 元気の良い投資情報誌の新聞広告に踊る「2倍、3倍株を狙う」「テンバガー(株価が10倍になること)候補10選」などの刺激的な見出しを目にすると、どうしても気になるという方も少なくないでしょう。こうした「大化け株」は、トヨタやソニーといった多くの人が知る大型優良株ではなく、あまり馴染みのない小型株であることが多いようです。

 実際に株価が2倍、3倍になるかは分かりませんが、経験則として小型株は長期的に大型株よりもパフォーマンスが良好な傾向がみられ、投資理論の世界では「小型株効果」というアノマリー(経済合理性では説明が難しいマーケットの法則やクセ)として知られます。

 ちなみに、日本株の企業規模別の長期リターンを単純比較すると、ここ数年は小型株のリターンは決して目を引く数字を残していません。しかし、これは仕手株(最近の呼び方ではインフルエンサーが発信するSNSでの情報を手掛かりに乱高下する「ミーム株」)や、一部の上場企業にふさわしくない企業が退出せずに市場にとどまり続けていることが影響しているためと思われます。そして、割安小型株に目を向けるとそのパフォーマンスは、総合指数や大型株指数などを大きく上回って推移しています(図表1)。