企業の「伸び盛り」にリスクテイクする小型株投資

 企業は人と同じくこの世に生を受け、幼少期を無事に過ごすと青春時代に大きく成長し、大人になり、やがて成熟し、衰えていきます。30年前には世界に冠たる超優良企業とされた日本の大手銀行21行は、自己資本規制、不動産バブルの崩壊による不良債権問題、持ち合い株の含み損問題などで追い込まれ、その後、猛烈な淘汰・再編を経て、現在はメガバンク3行を中心に大手5グループに集約されました。まさに企業の栄枯盛衰の歴史を物語っているように思われます。

 株価は企業の良し悪しというよりも「変化」に反応します。つまり、人間で言えば成長痛の起こるような「青春時代」に保有してこそ、その成果は大きなものとなる傾向があります。そんな、株としての「伸び盛り」の時代の高い変化率、言い換えれば、株価が大きく成長する時期に投資するのが「小型株投資」とすることができそうです。

 例えば、牛丼のすき屋や回転寿司のはま寿司をチェーン展開するゼンショーホールディングスの250日株式リターンと時価総額の推移を振り返ると、時価総額が約2000億円に到達する過程で約445%の驚異的な上昇を見せた後は、優良企業としての評価が確かなものとなるにつれて株価の上昇率はピークアウトしています(図表3)。

 同社は超アグレッシブなシステム統合型のM&A戦略、垂直統合のマーチャンダイジング、高度に標準化されたチェーンオペレーション、そして、海外市場での積極展開で知られるグローバル企業です。そんな日本の外食業界を代表する「屈指の成長企業」のゼンショーであっても、小型割安株として放置されていた状態から市場評価が高まった「青春時代」の爆発的なパフォーマンスを、現在に至るまで上回ることはできていません(図表3)。

 同様の例は小売業界でも確認することができます。「独特な雰囲気と品揃え」の100円ショップとは一線を画す、おしゃれな雑貨を揃えた100円ショップとして人気のセリアは、時価総額が約1600億円に達する過程で250日パフォーマンスのピークとなる約237%を記録しました。しかし、その後、一時は時価総額が更に約3倍強に成長した時期もありましたが、株価の上昇率は大きく減速していったことが確認できます(図表4)。

 こうしてみると、多くの人の関心の外にある小型株が、大きく変化する過程で市場にその存在が知られる過程で生まれる投資リターンの大きさを実感していただけるのではないでしょうか。