プロの腕の見せ所、小型株の「銘柄選択」
個別銘柄の選択でTOPIXや日経平均といった市場平均を上回るリターンの獲得を目指すアクティブファンドの運用者は、財務分析や会社訪問といった調査を通じて、①投資対象企業の経営者、②事業戦略、③ビジネスモデル、④事業環境、⑤競争優位性、⑥業績動向、⑦財務諸表などを分析し、株価水準との見合いで魅力的な投資対象をピックアップしていきます。
こうしたアクティブファンドを運用するファンドマネージャーにとって、小型株は「プロの腕」がモノを言う投資対象と言えそうです。というのも、多くの運用者やアナリストが注目している大型株と比べて、良好なファンダメンタルズにもかかわらず割安な株価水準に放置されている銘柄を見つける可能性が高いからです。
「銘柄選択のプロ」と小型株の相性の良さは、日本株投信のパフォーマンス・ランキングからも確認することができます。過去3年(ファンド総数628本)及び、10年(同449本)のランキングを見ると、いずれの期間でも上位10ファンド中、半分の5本が中小型株ファンドとなっています(図表5-1、5-2)。


大型株の投資では、多くのアナリストや投資家がその動向を分析するとともに、株価の動きに目を凝らしています。このため、株価の変動を当てるには「市場の期待の変化」を予測し、先回りする必要があります。これは腕に覚えのあるプロでも難易度が高く、リターンを上げるハードルは高くなります。
一方、注目度の低い小型株の場合、地道に積み上げたリサーチが投資リターンにつながりやすく、プロとしては取り組みやすい投資対象とすることができそうです。小型株や中小型株を投資対象とする投資信託が長期のリターン・ランキングで上位を占める背景には、プロにとってのリターン獲得の「難易度の差」があるように思われます。