消化不良を起こしやすい人は注意して

 食物繊維などを補ってくれるもち麦だが、それだけで完全食にはならないので、バランスのよいメニューを心がけていただきたい。また、食物繊維が豊富だと消化不良を起こすのではないかという懸念もある。

 大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授によれば、不溶性食物繊維は基本的に消化されずに排出される栄養素なので消化不良につながるが、もち麦には消化しやすい水溶性食物繊維の割合が多いとのこと。健康によい穀物として注目されている玄米と比較すると、もち麦の方が消化にはよいと考えられる。また、玄米は100%の割合で食べることがあるが、もち麦は米に混ぜて食べることがほとんどで、その割合も大きくないことも消化しやすい一因ではないかと青江教授は推測している。しかし、原料で比較すると玄米の不溶性食物繊維は100gあたり2.3g、もち麦は4.3gともち麦の方が多いので、消化に不安のある方は混ぜる量に注意してもらいたい。

 普段通りにおいしく白米のご飯を食べていて、何だか健康になってきたなあ……という方は、もしかしたら知らないうちに「いいおせっかい」をしてもらって、もち麦ご飯を食べているかもしれない。