(写真:sebra/Shutterstock)

若い人もほぼ全員が歯周病、50歳を過ぎるとおよそ2人に1人は重症化する。歯周病を防止するには、おとなは歯磨きを何分間すべきか? そして、おとなの歯磨きに必須の「7つ道具」とは? 虫歯・歯周病にならないための「おとなの歯磨き」を3回にわたって伝授する。(JBpress)

(*)本稿は『おとなの歯磨き』(伊東材祐著、フローラル出版)の一部を抜粋・再編集したものです。

■おとなの歯磨き
(1)歯磨きとは「除菌」だ!「うんち」より菌密度が高いプラークを除去し、虫歯・歯周病に勝つ「おとなの歯磨き」とは
(2)ギリギリギリ…「歯ぎしり」が虫歯を招く!病原菌の本当の隠れ家は真夜中に作られる
(3)おとなは歯磨きを何分間すべきか?3分間では圧倒的に足りない!「7つ道具」を使いこなしプラークを落とせ

 虫歯やとくに歯周病は、人生を狂くるわせる本当に恐ろしい病気です。何しろ、自覚なく進行し、体に多くの害を与えます。

 病気というのは、異常を感じ、もしくは定期検診などで異常が見つかり、病院に行って検査してもらい、病名がつけられる。ここで初めて、自分は病気なんだと自覚しますが、違います。

 これは、ただの診断結果であって、その前から病気は始まっているのです。「将来、病気になる悲劇を回避するために歯を磨く」と、言ってはいますが、歯のある人は、若い人もほぼ全員が歯周病、50歳を過ぎるとおよそ2人に1人は重症化するという事実を踏まえると、あなたもすでに病気の種を植え付けられているのです。

伊東 材祐(いとう・さいゆう)訪問歯科医師
1975年生まれ。歯学部卒業後、大学病院付属の特殊機関で歯周病、かみ合わせ、最先端の義歯治療、歯内療法、オーラルリハビリテーションなどの先進医療を一流の歯科医師陣に学び、在宅医療を専門とする歯科医院を開設。累計7万回以上の訪問診療に従事し、専門的口腔ケアの向上を推進している。診療外で1700名以上のお口の相談にのり、累計受講者8000名以上の口腔ケアセミナーの講師を務める。エビデンスのある医学的理論と数多の高齢者の何十年もの実体験、真実に基づいた「絶対に虫歯にも歯周病にもならない方法」を提唱。口の健康は、精神状態と如実に連動していることから、「心の状態をよくすること」と「自分を大切にすること」を重視。日本人にあう食事や衣類、生活環境の整備、多様な考え方の受容が病気の予防や治癒や幸せな人生の一助となるよう、ご利用者さん(患者さん)に寄り添っている。医療法人理事長。合同会社ジェネラス代表。

 しかし、病気の種である虫歯菌や歯周病菌をセルフケアで除去できる唯一の方法が、歯磨きであるにもかかわらず、これを読んでいる皆さんを含め、ほとんどの人が正しく磨けていません。

 その証拠に、ご自身でしっかりと歯を磨いた直後に、歯科医院で、歯に付着した細菌を赤く染める歯垢染色剤を用いて歯を染め出すと、歯が真っ赤に染まるほどです。