横方向の歯磨き、3分以内のそれは「こどもの歯磨き」

 自分の歯磨きを思い出してください。きっと多くの人が、横方向に磨くだけで、時間も3分未満。たいていの人がこのような歯磨きをしています。

 これこそまさに「こどもの歯磨き」です。

 たしかに、こどもの頃ならば、免疫力も活発ですし、歯周病は思春期から増える傾向にあるので、虫歯にはなりますが、歯周病が進行する人は多くはありません。しかし、おとなはそうもいきません。

「こどもの歯磨き」では、虫歯菌や歯周病菌の塊かたまりであるプラークを充分に除去することはできません。こうして残った菌は、歯を磨くまでの間、休むことなく増え続けています。今、この瞬間も。

 とにかく「こどもの歯磨き」では、菌を減らすことができないどころか、その数は、徐々に増え続けます。

おとなの歯磨き』(伊東材祐著、フローラル出版)

 これがどれくらいの危険かというと、歯科医の立場から言わせていただくと、もう猶予はありません。今日からでも遅くないので「こどもの歯磨き」は卒業して「おとなの歯磨き」へと切り替えてください。

 また、徹底的にプラークが除去できる「最高のおとなの歯磨き」を紹介していきますが、もしかしたら「え? ここまでやるの? 面倒臭すぎる」と思う人もたくさんいることでしょう。

 しかし、これはあくまで「最高のおとなの歯磨き」です。ここで紹介する磨き方を毎日すべてやれとは言いません。もちろん、毎日ここで紹介する磨き方を実践していただくのがベストではありますが、忙しい毎日の中で、時間が取れない日も多いと思います。

 そこで、「おとなの歯磨き」との向き合い方についても説明させていただくので、ここまで読んでから、実践へと移っていただければと思います。