台湾・新竹市にあるTSMCのミュージアム「台積創新館」を訪れた見学者(2024年5月29日、写真:ロイター/アフロ)

(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)

成熟プロセスと先端プロセスの境界は16nm

 台湾の調査会社トレンドフォースが2024年12月12日、東京都内のホテルで半導体のセミナーを開催した。発表は3件あり、そのうち、ファウンドリ(半導体製造受託)に関する発表の中で、2023年から2027年にかけて、成熟プロセスと先端プロセスにおける地域別の製造キャパシティがどう変化するかという予測が報告された。

 ここで、成熟プロセスとは16nmよりテクノロジーノードが大きいプロセス (具体的には22nm、32nm、45/40nm・・・など)を指し、先端プロセスはテクノロジーノードが16nm以下(例えば、16/14nm、10nm、7nm、5nm、3nmなど)を指す。

 トランジスタの形状でいえば、プレーナ型のトランジスタを使っている半導体が成熟プロセスで、FinFETおよびGAA(Gate All Around)のトランジスタを使う半導体が先端プロセスと言える(図1)。

図1 トランジスタの形状と成熟プロセスおよび先端プロセスの関係
出所:Ellie Gabel、「『FinFETの終えん』に備える 今後10年でGAAへの移行が加速?」(EE Times Japan、2024年4月11日)より引用
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 では、ファウンドリの成熟プロセスおよび先端プロセスの製造キャパシティにおける地域別比率は、2023年から2027年にかけて、どのように変化するのだろうか?