成熟プロセスの製造キャパシティの変化
まず、図2に、2023年から2027年にかけての、ファウンドリの成熟プロセスにおける製造キャパシティの地域別比率の変化を示す。
2023年は、台湾が45%、中国が31%、韓国が8%、米国が5%、日本が2%、その他が9%だった。台湾と中国の製造キャパシティが突出して大きいことが目を引く。
これが2027年になると、中国が47%となって1位に躍り出る。その一方、台湾は比率が下がって36%となる。それ以外は、韓国、米国、日本が、それぞれ4%に並ぶと予測されている。中国比率が増大する理由としては、以下が考えられる。
これまで米国は、中国の先端プロセスを警戒してきた。オランダのASMLが生産している最先端露光装置EUVの中国への輸出を早期に止めた上に、2022年10月7日には、米国の製造装置メーカーのアプライドマテリアルズ、ラムリサーチ、KLAが、中国の先端半導体メーカーに装置を出荷することを禁止した。加えて米国は、オランダと日本にも、足並みを揃えるように要請した。
その結果、中国の半導体メーカーは、先端プロセスの開発と製造が非常に困難になった。そこで中国は、米国の輸出規制に抵触しない成熟プロセスに大きく舵を切った。それ故、2023年から2027年にかけて、中国の成熟プロセスのキャパシティが大きくなったというわけだ。
しかし、これは再び、米国に危機感を抱かせることになった。