2023年1月に利上げして以来凍結

 韓国紙デスクはこうも加えた。

「米FRB(連邦準備理事会)や日本銀行も、凍結しても利上げしても結局批判を浴びた。世界的に、中央銀行受難の時代だ」

「13回連続で金利凍結というのは、韓銀にとっても苦渋の選択だ。何の手も打たないと批判されかねないからだ」

 それだけ難しいタイミングなのだ。

 韓国の政策金利は新型コロナの流行で2020年のGDP(国内総生産)成長率がマイナス0.7%になったのを機に、0.25%まで下がった。

 その後、2022年から徐々に引き上げて2023年1月に3.5%になった。

 2023年は半導体景況の悪化で輸出も鈍化し、成長率も鈍化した。だが、消費者物価上昇率が2023年10月に3.8%に達するなどインフレ懸念が強まり、利下げによる景気刺激効果を狙う状況にはなかなかならなかった。

 最近になってようやく物価が落ち着いてきた。

 2024年6月の消費者物価上昇率は2.4%、7月は2.6%だった。韓銀は、8月、9月は2%前後に下がるとみている。

 インフレ対策のために金利を維持する必要性は薄れてきた。産業界や金融界などからは、「早期利下げ」を求める声が出ていた。