ソウル中心部にあるSKグループの本社(筆者撮影)

 2024年5月30日、韓国で史上最高の財産分割を命じる離婚訴訟裁判の判決が出た。

 争ったのは韓国財閥3位のSKグループ会長と、元大統領の長女である夫人。1兆ウォンを超える判決でSKグループの経営への影響にも関心が高まった。

 「あの爆弾発言が威力を発揮した」

慰謝料20億ウォン、財産分割1兆3808億ウォン

 この日の判決に対して、産業界は仰天した反応だ。まさかの金額だったのだ。

 離婚訴訟の当事者は、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン=1960年生)会長と盧素英(ノ・ソヨン=1961年生)氏。

 盧素英氏は盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の長女だ。

 この日にソウル高裁が出した判決は、崔泰源会長に慰謝料20億ウォンに加え、1兆3808億ウォン(1円=9ウォン)の財産分割の支払いを命じた。

 離婚訴訟判決で1兆ウォンを超える判決が出たのは「おそらく韓国史上初めて」(韓国紙デスク)だという。

 2022年12月に出た1審判決は、慰謝料1億ウォン、財産分割額は665億ウォンだった。

 1年半後に出た2審判決は、慰謝料も財産分割額も1審判決に比べて20倍になった。

 裁判の最大の争点は、崔泰源会長の財産がいくらで、そのうちいくらが分割対象で、盧素英氏が財産創出にいくら寄与したか、つまりいくら分割するか、だった。