韓国政府が最近発表した2024年4月の「輸出入動向」(産業通商資源部)は興味深い内容が詰まっている。
韓国経済の不振の大きな原因だった輸出の回復ぶりが鮮明になった。最大の輸出相手先が中国から米国に変わったことも分かった。
「堅調な半導体需要などによる輸出の好転によって、韓国経済は一時的な小康状態から成長の勢いが強まる」
2024年成長率を上方修正
2024年5月2日、経済開発協力機構(OECD)は世界経済展望を発表し、韓国の2024年の国内総生産(GDP)成長率を2月時点の2.2%から2.6%に上方修正し、その理由をこう説明した。
OECDはこの日の展望で、米国については2.1%から2.6%に、中国についても4.7%から4.9%に上昇修正したが、日本については1%から0.5%に下方修正した。
「輸出」と「半導体」は韓国経済の2大柱だ。
この両方が不振で、2023年の成長率は1.4%になって、日本に逆転されることになった。
4月の「輸出入動向」からも回復の兆しがはっきりと読み取れる。
4月の輸出額は前年同月比13.8%増で562億6000万ドルだった。これで7か月連続して前年同月比プラスになった。1月に続いて2桁の伸び率になった。
輸出はほとんどの主力製品が前年同月比で増加した。
韓国では輸出額の多い製品を「15大品目」と呼ぶことがあるが、半導体、石油製品、石油化学、自動車など13品目がプラスだった。
輸出の牽引役は、全輸出額の18%を占める半導体だった。4月の輸出額は99億5500万ドルで前年同月比56.1%だった。
韓国にとって最大の輸出製品である半導体だが、需要不振と在庫増加に価格低迷で2023年前半は不振だった。
2023年7~9月の輸出も前年同期比22.6%減だったが、それ以降徐々に回復し、4月は大幅増になった。
4月の輸出額を品目別にみると半導体の増加率は、コンピューター(76.2%増)と並んで圧倒的だった。