「ゆかり文化幼稚園」の南側外観。プレキャストコンクリートの庇が特徴的（写真：宮沢洋、以下も）
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今日の日本の建築界を形づくった建築家・丹下健三は、2025年3月22日で没後20年となる。著名な「丹下建築」以外にもある、「知る人ぞ知る丹下健三の傑作」を3つ紹介する。まずは1967年に完成した「ゆかり文化幼稚園」から。

（宮沢 洋：BUNGA NET編集長、編集者、画文家）

※本稿は『画文で巡る！ 丹下健三・磯崎新 建築図鑑』（宮沢洋著、総合資格）より一部抜粋・加筆し、写真を追加したものです。

　ゆかり文化幼稚園は東京都世田谷区の住宅街にある。丹下健三の設計による現在の建物は、前東京オリンピックと前大阪万博の間の1967 年に完成した。

　同園は終戦から間もない1947年に創設された。初代園長は作曲家の弘田龍太郎。丹下に設計を依頼したのは、創設の中心になった二代目園長の藤田復生だ。画家でもある藤田が抱いていた理想的な幼稚園教育の夢に丹下が共鳴。1年以上にわたる話し合いのうえで、設計にとりかかったという。

（イラスト：宮沢洋）（イラスト：宮沢洋）
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東から見る。建物は放射状かつ段状に広がる
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