「こどもの城」をテーマに設計した建物は、南側の庭を中心として放射状に広がる。敷地が傾斜しているため、外側に向かって段々と高くなる断面構成だ。天井と庇は、プレキャストコンクリート(現場ではなく工場でつくられたコンクリート部材)の曲面板。これを扇形に並べることで、コンクリートの威圧感を和らげる。それとともに、「自然」と子どもの動きを調和させることを意図した。

半屋外の砂場
教室内も躍動感がある
庇の出が深く、日本家屋のようでもある
南側の園庭から見る。園舎に見守られているようだ

 構造設計は、坪井善勝の下で国立代々木競技場を担当した川口衞(まもる)が、自らの事務所を立ち上げて担当した。