
今回の大阪・関西万博では、公募型プロポーザルで選出された若手建築家20組が「休憩所」「ギャラリー」「展示施設」「ポップアップステージ」「サテライトスタジオ」「トイレ」など、パビリオン以外の“付属施設”を分担して設計した。ここで起用された主に30代~40代前半の建築家たちはきっと今後、国内外で活躍するに違いない。それは、それぞれの建築のクオリティを見れば断言できる。“若手20組”の施設を全て紹介する。
(宮沢 洋:BUNGA NET編集長、編集者、画文家)
若手建築家20組を全紹介
西側エリア:学会賞受賞者2組らが新たな屋根を競う
海側エリア:素材と構成に注目、残念石からグネグネ樹脂壁まで
東側エリア:注目株が輝き、冴えていた藤本プロデューサーの差配(本記事)
今回は夢洲駅に近い東側の若手施設7件を紹介する。

(以下、太字部は開幕1年前の2024年5月に発表された概要データと設計コンセプト。細字部は筆者のひと言。連番は地図に対応)
⑭ポップアップステージ(東外)(設計:萬代基介)
設計者:萬代基介 萬代基介建築設計事務所/主用途:イベント広場/階数:平屋建/延床面積:121.44m2/構造:鉄骨造

【設計コンセプト】
シンプルかつ最小限のリングフレームによって、最大限の空間をつくるドーム建築です。最小限の部品によるドームは移転再建築が可能となり、会期終了後も使い続けられるサスティナブルな建築を目指しています。外皮は投影可能となっており、建物全体が映像に満たされると、生命体のように変わります。緑地帯に配置されたドームには穴が穿たれ、木々がドームの中にも生き、人間中心の社会から動植物と共存する社会への象徴となるような建築です。


多くの人が利用するであろう東ゲートのすぐ近くにある球形屋根のイベントステージだ。設計したのは石上純也建築設計事務所出身の萬代基介氏。このスッキリと美しいフレームを見れば萬代氏のセンスがわかる。昼間はイベントをやっていて中がよく見えなかったので、帰りにもう一度見たら、夜は障子張りみたいでいい感じ。丸穴から月が見えた!
