⑳トイレ5(設計:米澤隆)
設計者:米澤隆 米澤隆建築設計事務所/主用途:トイレ/階数:平屋建/延床面積:246.04m2/構造:鉄骨造

【設計コンセプト】
本計画では、1970年の大阪万博にて終焉を迎えたと言われている、建築の「生命性」について思考した建築思想「メタボリズム」を、55年の時を経てアップデートし、再びこの大阪の地にリバイバルさせます。積み木のようにユニットを積み重ねることで建築を構築する仕組みにより、閉会後はユニット単位に解体し、公園や広場などに移設し、その場に必要な数や形に組み換えることができる計画です。また、カラフルなユニットを緩く連帯させながら共存させることで、会場デザインコンセプトである「多様でありながら、ひとつ」をデザインします。



設計主旨に「メタボリズム(注:
あえて今「メタボリズム」を掲げるということは、「閉会後はユニット単位に解体し、公園や広場などに移設し、その場に必要な数や形に組み換える」という目標も絵空事ではないのであろう。それが実現したら、ぜひ取材に行きたい。開幕前には工事額だけが独り歩きして「2億円トイレ」と騒がれた。実物にはどう見ても高い材料や技術は使われていない。閉幕後に再利用されればそのコスパの高さが証明されるだろう。
手を洗った後の水がそのまま床に落ちて排水される。これも筆者はワイルドで面白いと思ったのだが、案の定、使いにくいという声が上がっているようだ。子どもは間違いなく、この手洗い場が好きだと思うのだが…。
設計者の米澤隆氏は1982年生まれの注目株。このトイレと併せて覚えておきたい。
