・日本の現代建築に最も影響を与えた建築家は誰か
・海外から来日した建築家でまず覚えるべきは、アントニン・レーモンドだ
・現在に与えた影響は、お雇い外国人のコンドルよりはるかに大きい
(宮沢 洋:BUNGA NET編集長、編集者、画文家)
建築の世界では、師弟関係によって作風や創作姿勢が受け継がれる傾向がある。それはしばしば「スクール」と呼ばれる。日本で最初の建築家スクールは、お雇い外国人、ジョサイア・コンドルによる“コンドル・スクール”だ。
ジョサイア・コンドルは、ロンドンで生まれ、ロンドン大学などで建築を学ぶ。1877年、25歳のときに来日。工部大学校(現・東京大学工学部)造家学の教師となる。「鹿鳴館」など、設計でも活躍した。
コンドルの下からは、辰野金吾を筆頭に、明治期の建築近代化をけん引する“建築家第一世代”が巣立った。
辰野金吾はコンドルの後を継ぎ、工部大学校の教師に。片山東熊は宮内省に入り、宮廷建築を数多く設計。