韓国で「政治決戦」と呼ばれる総選挙(4月10日投開票)まで3週間を切った。情勢は1週間単位で急変している。
与野党の激しい対立の中で、有権者の生活に直結する「経済」はいまのところ大きな争点にはなっていないといわれるが、実際はどうなのか探ってみた。
「7年ぶりにソウルに家族と来た。スーパーで買い物をして仰天した」
りんご1個3990ウォン
2024年3月19日、久しぶりに韓国に来た韓国系カナダ人の知人と食事をしたら、こんな話を切り出した。
「ホテルで家族と果物でも食べようかとスーパーに行ったらあまりの高さにびっくりした」というのだ。
この知人が買おうとしたのが、最近、韓国で最も問題になっている「りんご」だ。
この知人が行った大型スーパーでは5個1万5000ウォン(1円=9ウォン)だったという。
最近、少し価格が下がったとは聞いていたが、まだそんなに高いのか?
話を聞いて筆者も翌日、自宅近くのスーパーに行ってみた。りんごの価格が1個3990ウォンだった。
「特大」という表示があるが、大ぶり、くらいの感じだ。日本円で1個440円くらい。
日本のスーパーの価格が普通サイズで1個200円くらいだというから2倍程度することになる。
りんごは韓国の一般家庭で今の時期に最もよく食べる果物だ。普段から頻繁に買う果物だけに、消費者も敏感に反応する。
筆者が行ったスーパーの顔見知りの店員に聞いたら「りんごは見るだけで通り過ぎる客と、なんでこんな高いのかとひと言つぶやいてから買う客に分かれる。売り上げは急減している。こちらもどうしようもない」と苦笑いした。