対中輸出比率が20年ぶりに20%割れ

 韓国の全輸出に占める対中輸出の比率は2023年に19.74%だった。

 大きな比率であることには変わりがないが、この比率が20%を割り込んだのは2004年以来20年ぶりの「事件」だったのだ。

 韓国の対中輸出比率は2005年に21.77%になって以来、ずっと20%を超えていた。2018年には26.8%になり、2021年まで25%以上を維持してきた。

 香港を含めた場合、この比率は2018年には31.59%だったが、この比率も23.72%になった。

 ここ数年で急速な「中国依存の低下」が進んでいるのだ。

 輸出比率以上に韓国経済への影響が大きいのが、貿易収支への影響だ。
過去20年間、韓国は対中貿易で莫大な黒字を稼いできたのだ。

2013年600億ドルの黒字から赤字に

 対中貿易黒字額は2013年には628億ドルに達した。その後も2018年に556億ドルを稼ぐなど最重要市場だった。

 ところが、ここ数年、対中黒字額は2019年289億ドル、2020年236億ドル、2021年242億ドル、2022年121億ドルへと急減した。

 そして、2023年にはついに180億ドルの赤字に転換してしまったのだ。 10年前には600億ドル以上稼いでいたのが赤字になってしまった。

 対中輸出の減少と並行するように増加に転じているのが対米輸出だ。

 2023年に韓国にとって最大の貿易黒字相手国は米国で444億6300万ドル、次いでベトナムが275億5000万ドルだった。

 一方、貿易赤字相手国を見ると、トップはサウジアラビアで274億3900万ドル、2位が日本で186億3600万ドルだったが、3位に中国(180億ドル3600万ドル)が入った。

 石油を全量輸入に頼る韓国にとってサウジは最大の貿易赤字国だ。また、部品や素材、工作機械などを依存する日本は、一貫して巨額の貿易赤字相手国だ。

 この2つの「常連」に次いで、最大の黒字お得意様だった中国が、2023年には3番目に大きい貿易赤字相手国になった。

 これは劇的な変化だ。