米国でトランプ不況が早くも顕在化、軍事ではファイブアイズに亀裂の芽
トランプの「唯我独尊」政策、経済・軍事面ではすでに赤信号灯る
2025.3.9(日)
高濱 賛
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上四半期GDP予測はマイナス2.8%予測
最後まで見ていたのは共和党支持者だけだったと酷評された99分に及ぶドナルド・トランプ米大統領の議会演説。
ご本人は積もり積もった心情を吐露し、この夜はゆっくり就寝したに違いない。
演説直後には、ウクライナに対する約束済みの軍事支援を全面ストップ。キーウに向かっていた米軍輸送機は途中から引き返した。
返す刀でウクライナに対する軍事情報提供を停止した。
自分に口答えするものは容赦しないという執念は、「侵略者に立ち向かい、民主主義を守ろう」とするウォロディミル・ゼレンスキー大統領とて例外ではなかったようだ。
ところが、たとえ「King」(独裁的国王)とはいえ、すべて自分の思い通りに経済、軍事外交が動くとは言えない。
米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)を構成する12の地区連銀の中でも最も信用度の高いアトランタ連銀が、ショッキングなGDP(国内総生産)予測をここ2週間にわたり公表したのだ。
同連銀は先週、今年上四半期のGDP 予測として前週比-1.5%下方修正して-2.3%としたのに次いで、3月3日にはさらに-2.8%とした。
(GDPNow - Federal Reserve Bank of Atlanta )
トランプ氏の関税政策の影響だけではない。
内需減速、企業投資の低迷、消費者心理の悪化などが引き起こした景気停滞リスクが早くも首をもたげてきたとみていい。
金融街や大学・研究機関の専門家たちも「トランプ氏が決定した連邦政府予算の削減、貿易政策を遂行すれば、GDP成長率はみるみる激減する可能性大だ」と言い出している。
(newsweek.com/stock-market-fear-index-trump-trade-war-)
(Donald Trump’s economic delusions are already hurting America (economist.com))