トランプが自画自賛の議会演説、関税政策ではあえて日本を名指しせず
ウクライナ政策巡っては、国務長官のルビオが早くも不協和音の芽に?
2025.3.7(金)
高濱 賛
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上下両院合同会議で「リベンジ演説」
米国のドナルド・トランプ大統領が3月4日、就任後初の上下院合同会議で演説した。
年に一度の一般教書演説なみにその模様はテレビ中継された。またSNSのフェイスブック、ティックトック、X(旧ツイッター)なども同時に流した。
(Why Trump’s speech to Congress isn’t a ‘State of the Union’ address | RochesterFirst)
2020年の一般教書演説の際には多数の民主党議員がボイコットしたが、今回は出欠が分かれ、出席した下院議員の一人は激しい野次を飛ばし退場を命じられる一幕もあった。
5年前の2020年、トランプ氏の背後に座っていたナンシー・ペロシ下院議長(当時)はトランプ氏が演説を終えた直後、事前に渡された演説文のコピーを破り捨てたことがある。
(Pelosi shreds Trump's speech. Right there on the podium. | AP News)
その後、両者の対立は激しさを増し、ペロシ氏はトランプ氏の下院弾劾決議を主導した。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」
ペロシ氏は、LGBTQの権利を守り抜くシンボルとしてピンクの服装を着た他の女性議員とともにダークピンク姿で本会議場の議席に静かに座っていた。
トランプ氏にとっては「すべてを一掃させるトランプ革命」というスローガンを携えて「屈辱の演壇」に再登場したリベンジ演説だった。
ジョー・バイデン前大統領を何度となくこき下ろし、「史上最低の大統領」と切って捨てた。
本会議場は、まるで運動会の紅組、白組のように左右に分かれて座り、共和党議員たちはトランプ氏の演説一句一句に立ち上がって熱狂的に拍手、その後「USA! USA! USA!」と叫び、まるで共和党全国党大会のような有様。
その間、民主党は貝のように黙ったまま、無表情。何人かはトランプ氏の演説に「誤り」(False)と書かれたボードを掲げて無言の抗議をしていた。
リベラル派の重鎮エリザベス・ウォーレン上院議員(バーモント州選出)などはスマートフォンをちらちら見ていた。