トランプが自画自賛の議会演説、関税政策ではあえて日本を名指しせず
ウクライナ政策巡っては、国務長官のルビオが早くも不協和音の芽に?
2025.3.7(金)
高濱 賛
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アメリカンドリームが蘇った!
その演壇でトランプ氏は、共和党が多数派を占める上下両院議員たちを睥睨しながらこう言い放った。
「我が国の精神、誇り、自信は蘇った。そしてアメリカンドリームは、かつてないほど力強く拡大している」
「優先課題の一つは経済を立て直し、勤労者世帯を劇的に、かつ迅速に救済することだ」
「バイデン前政権の政策はエネルギー価格を高騰させ、食料品のコストを押し上げた。トランプ政権はインフレ(物価上昇)対策に全力を挙げて取り組む」
関税上乗せをちらつかせカナダ、メキシコ、中国、インド、韓国を名指しにしたが、日本はあえて除き、ホンダがメキシコからインディアナ州に工場を移転することやソフトバンクの対米投資を取り上げた。
「6週間で76本の大統領令」と誇らしげ
トランプ氏は、就任後、6週間の間に大統領令を76本出した。数か月前から事務方に準備させていたとはいえ、確かに離れ業だ。
ジョー・バイデン前大統領にはそのエネルギーも意欲もなかった。
(バイデン氏が出した大統領令は就任後1年間で77本。短期間にいかに多くの大統領令を出したかだ分かるというものだ)
大統領令で、米議会乱入事件の暴徒らトランプ支持者たちに対する恩赦、不法移民国外送還、トランスジェンダーの軍入隊禁止、出生地主義の廃止など選挙戦の際の公約を実現させた。
その一方で億万長者、イーロン・マスク氏に「連邦政府効率化省」(DOGE)なる隠密御庭番的組織を大統領府内に創設させ、これを使って各省庁の人員整理、規模縮小を断行している。
(閣僚ではないマスク氏は、この日は本会議場の傍聴席に座っていた)
電光石火の動きにトランプ政権の面々も議会もメディアもあっけにとられて反論する間もないといった6週間だった。