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 2026年度の第1四半期でファミリーマート、ローソンが国内事業で増収増益を記録する一方、セブン‐イレブン・ジャパンだけが減収減益となり、経済メディアやSNSには「一人負け」との言葉が相次いだ。業界の盟主として君臨してきた同社が直面する課題の本質とは何なのか。セブン-イレブン苦戦の背景と、新体制が描く成長シナリオについて流通業界の専門誌『激流』編集長の加藤大樹氏に聞いた。

「セブンの一人負け」と報じるメディアも

──セブン-イレブン・ジャパンが苦戦しています。2025年度は北米・国内ともに減収減益となり、2026年度の第1四半期も、国内はファミリーマート(ファミマ)やローソンが増収増益を確保する中、同社だけが減収減益に沈み、「一人負け」という言葉で報じるメディアも少なくありません。この状況をどう捉えていますか。

【月刊激流】

1976年、製配販にまたがる流通業界の専門誌として創刊。スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、百貨店など、小売業の経営戦略を中心に、流通業の今を徹底的に深掘り。メーカーや卸業界の動向、またEコマースなどIT分野の最前線も取り上げ、製配販の健全な発展に貢献する情報を届ける。

加藤大樹氏(以下、敬称略) セブン-イレブンは業界最大手であり、現在のコンビニエンスストアという業態を確立したパイオニアでもあります。そんな同社が大手3社で唯一、減収減益になる事態は初めてで、注目度が高まっている面はあるでしょう。

 ただ、われわれの特集記事でも触れているように、減益とはいっても2024年度の営業利益は2337億円と、ファミマ(803億円)やローソン(653億円)を2~3倍も上回ります。私自身はそれほど劣勢に立たされているとは捉えていません。