良品計画 上席執行役員 生活雑貨部 管掌の嶋崎朝子氏(撮影:榊水麗)
無印良品の商品開発部門を率いる嶋崎朝子氏は、同社の商品は販売現場から直接届く生の声によって磨かれていくと語る。生活者の変化に合わせ、商品開発はどのように進化しているのか。また海外出店時には、無印良品が創業以来守り続けてきたコンセプトをどのように伝えているのか。その実践について嶋崎氏に聞いた。
健康な生活のために「睡眠」に注目する
──生活者の価値観や暮らし方が変化する中で、無印良品の商品も形を変えてきました。商品開発において、現在の主要なテーマは何ですか。
嶋崎朝子氏(以下、敬称略) 1つは、高齢化社会や健康寿命に対する意識の向上といった社会環境の変化です。そして、健康に暮らすための重要な要素の1つが「睡眠」です。眠るための環境を整えることの大切さは、消費者の間でもかなり浸透しています。
もともと無印良品は布団やベッドカバーなど寝具類の領域が強いので、その人気をベースに、さらに商品群を拡大する取り組みを始めています。例えば、寝るときにストレスが少ないパジャマを作る、寝心地のよい枕を開発する、枕カバーの素材を肌触りのよいシルクに変えてみるといったアプローチです。睡眠に限らず、お客さまが生活の中で気になっていることを起点にテーマを見つけ、商品開発を通じてその解決に挑戦します。
また、新たに力を入れているのがペット関連です。現在日本では、15歳以下の人口よりもペットの数が多いといわれています。世帯内の人数が少なくなり、単身世帯が増える中で、ペットは家族であり、特別な存在になっています。そこで当社では現在、猫用品を中心に力を入れています。
無印良品の商品には、食品であれば「安心して食べられる品質」という信頼感があると思います。ペットは家族同然の存在ですから、その安心感を“ペットにも向けたい”という飼い主の気持ちに応えられるよう、同じ発想で安心して使える商品を開発しています。






