2012年にルイジアナ州沖のメキシコ湾で大規模な石油採掘施設の爆発事故と深刻な海洋汚染を引き起こしたのに続き、2013年にも天然ガス採掘施設で爆発事故が起きている(2013年6月24日撮影、写真:U.S. Coast Guard/AP/アフロ)

米印首脳会談共同会見に“国営通信社”不在

 ドナルド・トランプ米大統領は2月13日、メキシコ湾をアメリカ湾に改名する大統領令に署名した。

 トランプ氏は大統領就任演説でそのことを予告していた。

 就任式に出席していたヒラリー・クリントン元ファーストレディ(元国務長官、元民主党大統領候補)はその瞬間、何とも言えぬ笑いを見せた。この笑いは何を意味するのか(答は末尾にて)。

 今、ワシントンの政界すずめの間で、その瞬間をとらえた動画が話題になっている(筆者の親しい政界通の話だ)。

Hillary Clinton appears to laugh at Trump's 'Gulf of America' remarks

 トランプ氏の決定に異議を唱えた天下のAP通信がホワイトハウスから締め出された。

 理由は「虚偽の報道を流すと思われるメディアはその責任を取らせる」(ホワイトハウス報道官)というもの。

 具体的には、代表取材(プール取材)、大統領専用機「エアフォースワン」搭乗代表取材、大統領執務室での写真撮影などで、通常の報道官記者会見には出席が認められる。

 ホワイトハウス記者会は抗議声明で、「言語道断だ。自由な報道に対する検閲はジャーナリストを萎縮させる恐れがある」と強く非難した。

apnews.com/trump-gulf-of-mexico

「日本海」の改称を目指す韓国は独り相撲

 たかが湾の名前、されど大統領が改称した事案――。

「日本海」を「東海」にせよ、と国際機関に提訴した国もあるくらいだ。 韓国だ。韓国の言い分はこうだった。

「『日本海』という名称は、日本の植民地支配の名残だ。これを『東海』と改称するのは、その名残を清算する作業の一環だ」

 日本はこれを軽くあしらってきたため、韓国は1992年の第6回国連地名標準化会議に問題提起、これを受けて1997年、「国際水路機関」(IHO=International Hydrographic organization)に提訴した。

 しかし、結論は出ていない。

 そもそもIHOは地名の呼び方の標準化を目指す機関で、関係国同士の論争を裁く権限も義務もないからだ。

「日本海」の場合、韓国のほか、北朝鮮が「朝鮮東海」に改称するよう主張しているが、中国もロシアも改称には関心がない。

 国際的な地図作成会社も「日本海」で統一しており、韓国は独り相撲を取っている観がする。

yahoo.co.jp/expert/articles