韓国に対するトランプの恫喝外交始まる、左翼政権誕生なら半島の緊張拡大
米軍撤収・関税で恫喝、韓国は核武装ちらつかせ反発か
2025.1.29(水)
高濱 賛
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米、長引く韓国の政治空白に苛立ち
ドナルド・トランプ米大統領は、長引く韓国の政治混乱に苛立ちを見せている。
親米派の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による昨年12月の「非常戒厳」宣布に端を発した韓国政界、司法界の混乱ぶりからはや1か月。
最終的には最高裁の判断で尹錫悦氏の処遇を決め、大統領選で次期大統領を選ぶことになるのだろうが、そのロードマップすら定まっていない。
韓国検察当局は1月26日、尹錫悦大統領を内乱首謀の疑いで勾留・起訴した。
だが、現行法によると、内乱罪の捜査権は高位公職者犯罪捜査処(公捜処)や検察ではなく警察にある。
「職権乱用に関係するため内乱罪を捜査できる」とする公捜処の主張に対しても、「職権乱用という軽い犯罪で重大犯罪である内乱罪を捜査するのは本末転倒」などの批判が相次いでいる。
尹錫悦大統領は今月15日に逮捕され、公捜処で取り調べを受けた。
しかし、200ページの分量の質問に対してすべて陳述を拒否し、また調書への押印も拒否した。
その後、尹錫悦大統領に対する取り調べなどは行われていない。
被疑者に対する審問内容が事実上存在しない上に、関係者の陳述にも一貫性が欠如しているのだ。
(一度も陳述していない尹錫悦大統領を起訴した検察の判断巡り韓国法曹界「警察に任せるべきだった」朝鮮日報)
それでなくとも北朝鮮がロシアへ急接近、ウクライナ戦争に北朝鮮の兵隊を派兵、死傷者を多数出している。
ロ朝同盟関係の強化により、ウクライナと朝鮮半島は複雑に絡み合い、トランプ氏の知る6年前の状況とは一変した。
その方程式をさらに複雑にしているのが、降ってわいたような韓国の政治混乱だ。