ロサンゼルス近郊で発生した山火事の消化活動に当たる消防隊員(1月9日、写真:AP/アフロ)

すでに16人が死亡、被害総額は8兆円強

 1月7日に発生した米西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のパシフィック・パリセーズとアルタデナでの山火事で、11日現在、死者はすでに16人、避難した住民は18万人に上った。

 損壊した家屋などの建物は1万棟以上とみられる。

 気象予測機関「Accu Weather」の現時点での推定だと、被害総額は520億ドルから570億ドル(約8兆2000億~9兆円)とされる。

California Wildfires: $52-$57B Damage Estimate | AccuWeather Report

 1月7日に発生した火災は、風速は時速40~60マイル(最高時速100マイル、1マイルは約1.6キロ)の強風や干ばつにより消火活動が難航した。

 1月11日現在、一部地域では小規模な火災が続いており、鎮火には至っていない。

 だが、ロサンゼルスの中心街も周辺の市も新型コロナウイルス感染症が蔓延した時のように皆、家にとじこもっていて、「死の町」のような様相を見せている。

 本来あるべき貯水池の水が枯渇していたり、一部地域では路上の消化栓が機能していなかったり。

 また交通整理の警官がおらず、車で逃れようとする避難住民が交通渋滞にあって歩いて移動せざるを得なかったりしている。

 ハリウッドの俳優たちが多く住むパシフィック・パリセーズの高額納税者らは、ギャビン・ニューサム州知事、カレン・バス・ロサンゼルス市長ら州市当局(民主党員がほとんど)に怒りをぶつけている。

 人気TV番組だった「ビバリーヒルズ青春白書」に出演していた女優のサラ・フォスター(43)などは、「カリフォルニアで一番多く税金を払っているのに、家の近くの消火栓からは水が一滴もでないって、どういうことなのよ。ニューサムは即刻クビよ」と怒り心頭だ。

The Mask Is Slipping: Dems Are Losing Hollywood After Disastrous Response to California Wildfires