韓国SKグループ会長と盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の長女夫婦の「世紀の離婚訴訟」について、SK会長が上告の方針を明らかにした。
ただでさえ韓流ドラマのような訴訟だが、SK会長が2審判決の事実関係の間違いを指摘、これを受けて高裁が修正する異例の事態にもなった。
2024年6月17日午前、ソウル中心部のSKグループ本社。
集まっていた記者たちの前にいきなり崔泰源(チェ・テウォン=1960年生)SKグループ会長が現れた。
「私自身の個人的なことで、ご迷惑、ご心配をおかけして申し訳ありません」
深々と頭を下げた崔泰源会長が一転
たくさんのテレビカメラの前で深々と頭を下げた。この日は、SKグループ幹部が、離婚訴訟の影響について説明する予定だった。
5月30日にソウル高裁が下した判決はSKグループに衝撃を与えた。
崔泰源会長に財産分割として1兆3808億ウォン(1円=9ウォン)の支払いを命じたのだ。
崔泰源会長の資産のほとんどはSKグループ企業の株式だ。こんな巨額の支払いを迫られたら、グループ支配構造への影響は避けられないという見方が出ていた。
グループ企業の株価への影響の懸念もあって、離婚訴訟という会長個人の問題だがグループ次元で会見を開いた。
この席に、事前の予定にはなかったが、会長自身が現れたのだ。
「お詫び」が済むと、一転して崔泰源会長は「判決に重大な誤りがあった。司法の判断は尊重すべきだが、私は大法院(最高裁に相当)に上告することを決めた」と語った。
単にお詫びのために姿を見せたのではなく、判決に対する不満を直接強い口調で切り出したのだ。
崔泰源会長は、まず、ソウル高裁の「重大な間違い」を指摘した。
崔泰源会長のいまの資産のかなりの部分を占めているのが、グループ持ち株会社である「SK」の株式だ。
崔泰源会長は、17.7%の株式を保有し、その価値は2兆ウォン相当だ。
韓国メディアによると、5月30日の判決でソウル高裁は、崔泰源会長が保有する「SK」株の価値がどのように増加したのかを詳細に示した。
崔泰源会長が初めて「SK」前身企業の株式を取得したのは1994年。