韓国の2024年6月の経常収支は122億6000万ドルの黒字だった。
半導体輸出の急増で歴代3番目の経常黒字幅だった。輸出は全般的に好調だが、一方で、赤字拡大が止まらないのが旅行収支だ。
韓国銀行(中央銀行)が最近発表した「6月の経常収支(暫定統計)」によると、経常黒字額は2017年9月(123億4000万ドル)以来最大規模だった。
黒字の大半は、商品収支の黒字で稼いだ。商品収支の黒字額は114億7000万ドルだった。
半導体輸出は過去最高に
6月の輸出額は588億2000万ドルで前年同月比8.7%増加した。特に絶好調だったのが半導体だ。
韓国企業の主力商品であるメモリー価格の上昇と、世界的なAI(人工知能)半導体やデータセンター向け需要の急拡大で輸出が増えた。
半導体輸出額は136億2000万ドルで月間の輸出額は過去最大だった。前年同月比では50%増という伸びだった。
情報通信機器や石油製品の輸出も増えた。
1~6月の上半期の累積経常黒字額は377億3000万ドルだった。前年同期は半導体輸出の不振などで累積経常黒字額は11億5000万ドルだった。
1年間で経常黒字額が33倍になったわけだ。
韓国銀行は5月の時点で、上半期の累積経常黒字額を279億ドル、下半期が321億ドルで年間経常黒字額を600億ドルと予測していた。
この予測を大幅に上回る黒字だった。
韓国経済全体にとっては喜ばしい数字だが、韓国紙デスクは「経済は、喜んでばかりはいられない状況だ」と語る。
「半導体市況の回復で、半導体メーカーの業績も輸出も急回復してはいる。だが、波及効果はいまひとつで、内需も良くない」