関東第一を破って優勝を決め、飛び上がって喜ぶ京都国際ナイン(写真:共同通信社)
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韓国中が感動

 韓国系民族学校をルーツにもつ京都国際高校が夏の甲子園大会を制覇した。このニュースに韓国中が沸いた。

 まず京都国際が優勝を決めた瞬間、韓国のほとんどのメディアが速報を流し、ネット上にはゲームセット後に甲子園球場に韓国語の校歌が流れるシーンの動画がすぐアップされ、「涙が出る」といったコメントが次々と書き込まれた。

全国高校野球選手権大会での京都国際高の優勝を伝える韓国のテレビニュース=ソウル駅(写真:共同通信社)
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 政界も反応した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領や趙泰烈(チョ・テヨル)外交部長官をはじめとして、与野党を問わず、大勢の政治家が祝賀メッセージを出した。

 それだけではない。京都国際の優勝が決まった直後、尹錫悦大統領室は「京都国際高校(夏の甲子園優勝)参考資料」という4枚の報道資料を記者団に配布したほどだ。

 同資料には、京都国際の過去の甲子園での試合結果とともに、京都国際と野球部の現状についての詳しい説明が載っている。また韓国政府(教育部)による支援状況や京都国際野球部出身の日韓プロ選手を紹介するほど手の込んだ資料になっている。

 特に京都国際の歴史について触れた部分では、「廃校の危機もあったが、韓国政府、在日韓国人と一部の先覚者的な日本人の助けで現在まで運営されており、未来の韓日両国間の教育交流・協力の基盤になりうる事例」と強調している。