ともすれば野党とその支持者から「親日政権」との猛批判を受けている大統領室にとって、「韓国系」の歴史を持つ京都国際による甲子園大会優勝は、日韓友好の象徴としてアピールする、願ってもない好機となっているようだ。

「野球フリーク」尹大統領直々の激励メッセージ

 とりわけ普段から野球マニアとして有名な尹大統領は、2日連続でSNSに京都国際に向けた応援メッセージを残した。

 22日、京都国際の決勝進出が確定したときは、「ユニホームがすり減るほど渾身の力を尽くしてプレーしてきた選手の皆さんの闘志と情熱に大きな拍手を送る。精一杯応援する」と激励のメッセージを送り、1983年に一橋大学の客員教授だった父親に連れられて甲子園で野球観戦した経験も付け加えた。

 優勝が決まった23日午後には「奇跡のような快挙」とし、「野球を通じて韓日両国がもっと親しくなってほしい」というメッセージを残した。

「東海を渡りし 大和の地は 偉大な祖先 古の夢の場所……

 韓国語の校歌が甲子園の決勝戦の球場に勢いよく響き渡りました。京都国際高校の甲子園優勝をおめでとうございます。劣悪な環境で成し遂げた奇跡のような快挙は、在日韓国人に誇りと勇気を与えてくれました。野球を通じて韓日両国がもっと仲良くなれたらと思います。やっぱり野球は偉大ですね。多くの感動を生み出しますから」

優勝が決まった瞬間、スタンドで歓喜する京都国際の生徒たち(写真:共同通信社)
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