継続的な高山・飛騨広域プロモーションの成果

 NPOで日々の運営に携わる田口由加子氏によると、軽装で参加されるお客様も珍しくなく、中にはヒールのある靴を履いてくる人もいるとのこと。とはいえ廃線跡を自転車で走る体験なので、ホームページなどで自転車に乗りやすい服装にするよう呼びかけているが、一方で気軽に参加できる魅力を否定したくはない、とも田口氏は語る。

 また、香港からのレンタカー利用客などを主にインバウンドの利用者も多く、早くから高山・飛騨広域で観光コンテンツを集約して海外へプロモーションを行ってきた積み重ねが実っているように感じる。

 ちなみに筆者は25年ほど前に大手旅行会社の駐在員としてクアラルンプールに勤務していたが、当時すでに中部エリアの官民トップを先頭にした積極的なセールス活動が行われていた。

 そうしたプロモーションにより、さまざまなコンテンツを、 “点”(個々)ではなく、“線”(アクセス)でつないで、“面”(豊富なコンテンツの集積)として訴求していた記憶が、現地側の一人として印象に残っている。

 インバウンドに限らず、関係自治体が連携して実施した継続的な広域プロモーションが第二の成功要因だろう。

暗いトンネルもグループにはアトラクション感がある

 そして、もう1点、成功の要因を挙げるならば、NPOによる運営体制がある。