オプションでチャイルドシートやペットケージなども利用可能

 降雪期を除く春~秋のみの年間約200日強の営業日数で、1便当たりのレールマウンテンバイク台数のキャパシティに限りがあることを考慮すると、飛騨の山間に位置する交通利便性の不利を逆手にとった魅力が今を生きる人たちを惹きつけたように思う。

廃線跡を快走して豊かな自然を体感(筆者撮影)
カップルで漕ぎながら自然を楽しめるのも魅力

 ガッタンゴーには現在、「渓谷コース」(漆山駅~二ツ屋駅間、片道3.3km)、「まちなかコース」(奥飛騨温泉口駅~神岡鉱山前駅間、片道2.9km)の2コースがある。トンネルは2本ずつ、計4本ある。それぞれのコースに魅力があるが、高原川の清流に沿い、切り立つような峡谷の廃線跡をゆく「渓谷コース」を紹介しよう。

夏の緑の中を自分にあったペースで漕いでいく

 漆山駅までのアクセスは、基本はクルマ利用になるが、JR高山駅から濃飛バスによるツアーコースも設定されている。インバウンドにも人気の高い高山をベースに鉄道とバス利用でも訪れることが可能だ。

 漆山駅にはテントの下にレールマウンテンバイクが多数準備されている。原則として2人乗り以上での利用となる。渓谷コースは安全上の理由から1人での利用はできない。

 ほかに、2台の電動アシスト付き自転車の間にチャイルドシートやファミリー用の2階建てシート、ペットケージなどもオプションで付けられる。こうしたサービスがファミリーやグループの人気を集めた要因であることは間違いない。

ファミリーのニーズに応えた2階建てシート
子どもと楽しめるチャイルドシートが人気

「まちなかコース」の神岡鉱山前駅の構内および本線の一部では神岡鉄道の動態保存車「おくひだ号」などの運転体験もでき、鉄道ファンにも人気があるが、ガッタンゴーは鉄道ファン以外にも(むしろ鉄道ファン以外の多くから)幅広い支持を得ている。