購入検討段階でFPに相談を

(3)金利上昇に備えて貯蓄をする

 繰り上げ返済をするためには、貯蓄が必要です。もしもの時に繰り上げ返済ができるように、当初の金利水準が低いという変動金利のメリットを活かして、繰り上げ返済資金を積み立てしておくと良いでしょう。

 F男さんのご家庭は娘さんの教育資金などの負担が重く、家計にゆとりがないため、妻に将来的に仕事を増やしてもらうなどの対策を考え、貯蓄できる家計に改善していくことが必要です。
 
 F男さんには、今後の住宅ローンの見通しや現状の家計で生活を続けた場合のキャッシュフロー表を提示しながら、家計の見直しやローンの返済計画、貯蓄計画、妻の収入を増やすことなどについてもろもろアドバイスさせていただきました。
 
 ただ、住宅購入後のアドバイスは、いかに支出を削るか、努力で増やせるところはどこか、といった相談が中心になってしまいます。そのため、高額な家を購入を検討している場合は、まず、関係者以外の中立な立場のフィナンシャルプランナー(FP)に相談してほしいと思います。

 FPの良いところは、さまざまな事例を持っていることです。類似例をサンプルとしてお話ししながら、無理のない住宅購入についてアドバイスができると思います。

 とはいえ、F男さんのようなケースも少なくないと思います。上記のアドバイスを参考にできるところから取り組みましょう。

高山 一恵(たかやま・かずえ) Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。最近の著作に『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』『はじめての新NISA&iDeCo