変動金利の金利上昇リスクの対策は?

 では、変動金利の金利上昇への対策はどうしたらいいのでしょうか。大きく対策は3つあります。


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(1)金利上昇後の返済額を把握する

 今後金利が上昇した場合に毎月の返済額と総返済額がどれくらい増えるのか、事前にシミュレーションをしておきましょう。事前にどれくらい返済額が増えるのかを把握することによって、対策を練ることができます。

(2)繰り上げ返済をして早めに完済する
 
 金利上昇への対策には、「繰り上げ返済」が有効です。繰り上げ返済は、どんなに金利が上昇しようと、繰り上げ返済をした金額は全額元金の返済に充当されるからです。

 繰り上げ返済には、ローンの期間を短縮する「期間短縮型」と毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」があります。

 例えば、7000万円を金利0.5%、35年返済で借入し、5年後に200万円を繰り上げ返済したとします。200万円を繰り上げ返済したことにより削減される利息の額は、期間短縮型が約31万7000円、返済額軽減型が約15万4000円となっています。当然、元金も200万円減ります。

 期間短縮型は、返済期間が1年短縮される効果もあり、同じ200万円を繰り上げ返済するのであれば、期間短縮型の方がお得です。

 ただし、金利が上昇してきて、毎月の返済額が増えた時には負担を減らしたいと思う人も多いでしょう。そのような場合には、返済額軽減型を選択しましょう。

 実際に金利が上昇し、返済額が増えた時には、繰り上げ返済をいくらくらいすると毎月の返済額の増額を抑えることができるのかシミュレーションをしておくことが大切です。