結婚、出産、離婚、子どもの受験、親の介護…。人生100年時代に直面する様々なライフイベントを乗り越えていくために必要なのが「お金」です。ただ、日々の生活に追われていると、いざという時のための「マネープラン」を考えていないケースがほとんどではないでしょうか。
Money&You取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、普通のOLだった40代女性が宝くじで3億円当選し、金銭感覚がおかしくなってしまった結果、身を滅ぼしそうになってしまった事例をご紹介します。(JBpress)
(高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー)
今回ご相談にやってきたのは、中堅メーカーに勤務する40代独身のA子さん。イマドキのファッションに、ブランド物のバッグ、高そうなジュエリーを身に付け相談に現れました。聞けば、年末ジャンボ宝くじで当選し、3億円を手にしたとのこと! そこで、マネープランのアドバイスを求めて私のところにやってきました。
(注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)
浪費三昧の末、当選金は半額程度に
年末が近づいてくると、宝くじ売り場には一獲千金を求める人々が詰めかけ、長蛇の列になっているのを目にします。お給料がなかなか上がらず、インフレも加速している今、宝くじに夢を託したくなる気持ちもわかります。
ただし、宝くじに当り高額の賞金を手にした人のほとんどは、不幸な末路を迎えているという話をよく耳にします。
今回ご相談にやってきたA子さんは、一般のOLさんというイメージからは程遠く、雑誌から抜け出たような華やかな方でした。お話を聞くにあたって記入してもらった相談シートの資産の欄に、ゼロが8つ並んでいる数字を見て、「3億円!」とびっくりしたのを今でも鮮明に覚えています。
話を聞いてみると、何気なく買った年末ジャンボ宝くじで3億円に当選したとのこと! 何気なく買って・・・、だなんてうらやましい限りです。普通のOLさんがいきなり3億円も手にしたら、人生変わるだろうなと思いました。
A子さんは、宝くじが当たるまでは、手取りで毎月25万円程度のお給料をやりくりして堅実に暮らしていたそうです。ところが、宝くじに当選したことで、それまで我慢してきた欲求が一気に爆発。ブランド物のバッグや靴、時計、洋服を買いまくり、高級レストランや海外旅行にも行きまくって、それまでとは真逆な派手な生活を送るようになってしまったとのことでした。
また、宝くじが当たったことで、金融機関をはじめ、買い物にいく先々でVIP対応を受けるようになり、高額な金融商品やジュエリー、高級マンション、などを買ってしまいました。相談シートの資産の欄には3億円と書いてありましたが、実のところ、相談に来た時点では半分程度になってしまっていたのです。