結婚、出産、離婚、子どもの受験、親の介護…。人生100年時代に直面する様々なライフイベントを乗り越えていくために必要なのが「お金」です。ただ、日々の生活に追われていると、いざという時のための「マネープラン」を考えていないケースがほとんどではないでしょうか。
Money&You取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、高年収世帯なのに、貯蓄がほとんどできていない40代ファミリー世帯の事例をご紹介します。(JBpress)
(相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)
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令和4年の民間給与実態統計調査によると、会社員の平均年収は458万円。そのため、年収1000万円と聞くと、世間的にはかなりの高年収というイメージがあるのではないでしょうか。加えて、「そんなに高年収なら、さぞかし、貯蓄もたくさんあるんだろう」と思いますよね。
でも、高年収世帯なのに、ほとんど貯蓄ができていないというご家庭も少なくありません。今回ご紹介するAさんご一家は、ご主人が大手メーカーに勤務している高年収のエリート会社員ですが、ほとんど貯蓄ができていません。そこでAさんご一家は、家計改善のアドバイスを求めてやってきました。
年収1000万円以上でも1割程度が貯蓄ゼロ
今回のご相談者であるAさんは、大手メーカーに勤務する40代の会社員。年収は1000万円を超えています。Aさんは、妻(40代パート勤務)と娘(中学生)、息子(小学生)の4人家族。Aさんにご家族の写真を見せていただきましたが、雑誌にでてくるような素敵なご家族でした。そんなAさんのお悩みは、貯蓄がほとんどできないというもので、貯蓄は200万円程度でした。
年収が1000万円を超えているのに、貯蓄できないの?と思っている方も少なくないと思います。しかし、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)令和4年」によると、年収1000万円から1200万円の2人以上世帯で貯蓄を含む金融資産がゼロという家庭は12.2%とのこと。つまり、年収1000万円以上の家庭でも「貯蓄ゼロ」の家庭が1割もいるということです。
なぜ1000万円以上も年収があるのに貯蓄ができないのでしょうか?